経験者が語る「共創と共鳴」「新たな経験ができる場所」

2019年度のプロジェクトに参加した逸本さんと武藤さんにお話を伺いました。

この体験談はお二人が登壇した「ローカル活動を始めよう!In KOBE 神戸ソーシャルブリッジフォーラム」(2020年2月15日開催)での登壇内容をもとに作成しています。

 

左:武藤さん / 中:逸本さん / 右:藤澤さん(モデレーター)

 

 

簡単な自己紹介と、参加のきっかけを教えてください。

(逸本さん)製薬会社の営業職をしています。薬物治療や在宅診療など地域医療の課題に取り組んでいます。ソーシャルブリッジには2018年から継続して参加しています。漠然と仕事だけをしていていいのだろうか、自分の子どものためにいいことができないかと考えていたところ、ソーシャルブリッジの案内を見つけました。

(武藤さん)子どもを育てながらフルタイムで働いている二児の母です。職場は食品メーカーで、お菓子の輸入業務や売り上げ管理などをしています。2019年6月からのプロジェクトに参加しました。参加のきっかけは、仕事で社会貢献できていないのではという気持ちがあったためです。「私の人生はこれでいいのか」と人生を振り返る機会があり、参加してみることにしました。

 

参加を決めるときに不安だったことはありますか?

(逸本さん)初めてのボランティアなので不安がありました。説明会のときに、時間のやりくりや、皆さんの熱量についていけるのか不安だと質問したところ、いろいろな人がいるから大丈夫だと言われました。仕事のやり方を見直す時期だったので、時間をつくるのにはタイミングが良かったです。

(武藤さん)仕事も子育てもあるので、私も不安はありました。自分のスキルが通用するのかと心配しました。

 

支援している団体と取り組んだことについて教えてください。

(逸本さん)NPO法人あっとオーティズムの業務改善プロジェクトに携わりました。
自閉スペクトラム症:発達障がい含む(以下ASD)のある子どもたちが社会に受け入れられる環境をつくるため、世界自閉症啓発Dayである4月2日に全国各地のランドマークや名所をブルーにライトアップするLight It Up Blueキャンペーンという啓発活動をしている団体です。全国に展開した取り組みに対する熱意を聞いて、応援しました。

プロジェクト紹介

NPO法人あっとオーティズム
プロジェクト紹介:全国規模の自閉症啓発キャンペーンを支える業務効率化にチャレンジ!

企業経営者やシステムエンジニアの方と一緒にアイデアを出して、業務の見える化とITツールを活用した業務改善を提案しました。自分たちにとっては当たり前のシステムが、団体にとってはそうではないことがあります。シンプルな業務改善に喜んでもらえ、感謝されて嬉しかったです。

 

(武藤さん)兵庫区で毎月こども食堂を開催しているこどもワクワク食堂というご夫婦でされている団体です。子どもだけで参加している家庭に親子で参加してもらう方法や、まだ参加していないけれど支援が必要な子どもに参加してもらえる方法、伝え方のアイデアに関わりました。

プロジェクト紹介

こどもワクワク食堂
親子でこども食堂に来たくなるための「伝え方とツール」を考えるアイデア出しにチャレンジ!

チームには起業家やデザイナーなどいろんな職業のメンバーがいました。実際に食堂に足を運び、食堂に来ている人たちにインタビューを行いました。それをもとに、食堂のキャッチコピーを考えることと、食堂の案内と塗り絵をセットにした、子どもが家に持ち帰れるツールをつくりました。

 

社会課題について学んで、印象的だったことはありますか?

(武藤さん)それまでNPO団体と接点がなかったので、そのパワフルさに驚きました。また、私たちの提案に対してとても決断が早く、新しいものをどんどん取り入れる行動力に刺激を受けました。

(逸本さん)思いを形にする行動力が印象的でした。というのも、団体主催者のお子さんがASDで、渡米した際にASDが広く社会で受け入れられているということを実感した経験があるそうです。その文化を日本に取り入れるため、まずはASDを受け入れる社会を作ろうと考えられ、その一歩目がLight It Up Blueキャンペーンだったそうです。その取り組みをさらに広げるための次の手が、今回のソーシャルブリッジでのプロジェクトでした。

 

異業種やさまざまな年齢の方とチームで取り組むことについて教えてください。

(逸本さん)普段の職場で会う人でもなく、学生のころの友人でもない人たちと、共通の目的を達成したことが楽しかったです。
プロジェクトだけでなく、ソーシャルブリッジに参加した背景や経緯を聞いた飲み会も楽しかったです。今もメンバーとはつながっていて、たまに同窓会をしています。この新しいつながりは、NPOに感謝されたことと並ぶ成果でした。

 

これから地域に踏み出すという、新しい感覚がありますか?

(逸本さん)飲み会で、チームメンバーの企業経営者の方が町内会で「逃走中」(テレビ番組の企画で鬼ごっこのようなゲームのこと)をしたという話を聞いて、私も地域会で提案して実施しました。小さなことですが、ソーシャルブリッジがきっかけとなり、地域のなかで一歩を踏みだしたと思います。

 

武藤さんはいかがですか?

(武藤さん)プロジェクトで異業種の方が集まったために、進め方ひとつとってもいろんな価値観があるのだと感じました。進め方や意見の伝え方などがまちまちで、戸惑うこともありましたが、とても新鮮でした。

 

学びや気づき、変化がありましたか?

(逸本さん)異質性を大事にするようになったことです。異論や対論を歓迎すべきことだと考えるようになりました。また、目的をしっかりと決めて、軌道修正しながら力を出しきるよう意識した仕事の進め方をするようになりました。目的は同じでも意見や方法が違えば、新しいことが生まれるのではないかと思います。メンバーの想いや価値観を大事にすることで場の活性化につながり、とりあえずやってみようと仕事でも変化を感じつつあります。

(武藤さん)社会貢献にはいろいろな方法があることを知りました。今まで深刻に考えていたようで、気楽にとらえてもいいのだと思えるようになりました。また、作業を進めるうちに自分が他の人とどのような関わり方を得意としているか、得意な関わり方など、自分を再認識することができました。
最近、近所で子ども食堂を開くためのスタッフ募集がありました。サポートだけでなく、いつか自分が実行することがあるかもしれません。

 

最後に、神戸ソーシャルブリッジを一言でいうと?

(逸本さん)共鳴と協創です。みんなでわいわい進められ、一人でつくるよりもいいものができます。

(武藤さん)新たな経験ができる場所。自分の関与の度合いによって、掴み取れるものが変わると思います。新しいものを知り、自分次第で掴み取れる成果があると思います。

 

ありがとうございました。