自分たちの地域のなかで問題や声をシェア「FMわぃわぃ」

2018年度のプロジェクトである、1WEEKトライアル、ステップアップチャレンジに参加された、NPO法人エフエムわいわいから代表の金さん、プロボノとして参加したブリッジメンバーの方々にお話を伺いました。

※本レポートは、2019年2月9日開催、神戸ソーシャルブリッジフォーラムでの登壇内容をもとに作成しています。

FMわぃわぃについて

金さん

地域は実に違いに満ちているから。住民自らが発信、声をシェアして地域づくりにつなげるメディア

阪神・淡路大震災後、震災関連情報を多言語で共有するツールとして始まったコミュニティラジオがFMわぃわぃです。避難所の中で言語、年齢、性別、経済的条件、障がいなど、社会は違いに満ちているということを実感し、その違いや困難をみんなで聞き取り自分たち自身の言葉として発信していくことが活動の始まりでした。

やり始めると声に出しにくい問題がこんなにたくさんあるのかということが分かってきて、震災関連情報に限らず、コミュニティラジオとして地域は実に違いに満ちているということを、自分たちの視点で住民自らによる情報発信・受信を継続してきました。立ち上げから24年の歴史がありますが、変わらないFMわぃわぃの価値は、情報や気づきの発見の連鎖をつくる、問題解決の糸口を探る場として地域のまちづくり・ひとづくりを目指すということです。

FMわぃわぃが目指すラジオの使い方というのは、ラジオのパーソナリティが誰かというより、それぞれの人たちが情報を発信して、それを聞いている人がまた反応を返して、情報が行ったり来たりすること。そこが大事で自分たちの地域のなかで問題や声をシェアして、そこからまたそれを次に繋げていくということに取組んでいます。

今はラジオからインターネットというツールになって今度は世界とつながっています。私たちの経験を活かすということで、東日本大震災や熊本地震、または海外での災害の現場に入って、災害後の情報発信への協力を行っていたりもします。

プロジェクトの取組み

神戸ソーシャルブリッジで強い自信を得た

1週間の1WEEKトライアル、2ヶ月のステップアップチャレンジに参加しました。1WEEKトライアルでは、これからの配信ツールは何がよいのかという課題整理にIT関係の方、介護士、行政職員など5人の方に取り組んでいただきました。これまでFMわぃわぃと全く接点の無かった方々から活動を見てもらって、あまりにたくさん活動をしているから、どういったことをやっているのかさっぱり分からないという正直な感想と共に、外からの視点でFMわぃわぃは重要なことをやっている、存在価値がある活動だと太鼓判をいただきました。

 

2ヵ月のステップアップチャレンジではFMわぃわぃとは何かを伝えるリーフレットの成果物を受け取りました。私たちはラジオ局を作りたいわけではなく、街の中の様々な社会的問題の解決に取り組む「社会変革」を目指している。日本ってこんなに素敵で、もっと誇らしいものにしたいという思いを持ちながら、人々の声を発信し続けた結果、あまりにも地域に問題が多すぎて何を発信して何をしたい団体なのかが一般の人からは分からないものになってしまっていました。そこを改めて、紐解いて、活動の伝え方を改善していただきました。ソーシャルブリッジのメンバーとのやり取りの中から活動に対する強い自信を得たということが一番大きな収穫でした。

 

プロジェクトを終えて

活動を見えるように、伝わるようにしていく解析の力に感動

具体的な成果物を受け取って思った感想のまずひとつは、解析。積み上げてきた活動をカテゴリー分けして分かりやすくしていただいたという感動。それを今度はブラッシュアップをして「見える」ようにしていくのがすごいなと思いました。私たちの思っていることが、こうやったら伝わるのだなと感動しました。FMわいわいの中心メンバーも、すごくきれいにまとめていただいて、自分自身も改めてやっていることを再発見できたと言っていました。ありがとうございました。

ブリッジメンバー・インタビュー

登壇者

大井秀人さん
電機関連のメーカーで企画関連の仕事に従事

小笹雄一郎さん
まちづくりを目的とした住民対話の場づくり、ウェブやグラフィックのデザインに従事

外部の視点で必要情報をスッキリ。新しいウェブサイトの骨格とチラシを提案

大井さん

(大井さん)私は普段は地域の活動には関わってきていなかったのでこれをきっかけに、と初めてボランティアに参加しました。デザインができる小笹さん以外に他3人は、外資メーカーの研究職、ITインフラのエンジニア、大学生で、全くバックグラウンドが違う5人のチームでした。

プロジェクト開始当初、ラジオ放送をやめてネット配信に切り替えたいという団体ニーズがありました。しかし、最初にウェブを見ても誰もFMわぃわぃが何をされているか、何を発信しているところなのかが分からない状態でした。

FMわぃわぃという言葉だけを聞くと、単純に音楽放送をしているのかなと思っていましたが、代表の金さんのお話を聞いて、「ああこういうことだったのか。」と最初の印象と内部が目指している姿のギャップにすごく悩みました。プロボノの一歩目であるの団体を知る、理解する所のハードルが高かったのは印象的です。

(小笹さん)はじめウェブサイトの改善点を洗い出していったが、情報がばらばらで、基礎情報にあたる「FMわぃわぃとは」のページを探すのにもすごく苦労をしました。結局、該当ページは大井さんが発見したのですが、隠しボタンみたいなところにFMわぃわぃの経歴があって(笑)、これはなかなか行き着けないね、など全く初めて団体に触れる当事者の目線を大事に、洗い出しを進めて行きました。

参考になるサイトを集めることも話題にありましたが、根本的にデザインを変えて整理していかないとなかなか進まないなと、一度ラフで僕が案として骨格(ワイヤーフレーム)を作って、FMわぃわぃとは何かをすっきりさせていきました。大井さんも、強み弱みの分析をプロの視点で書いて、情報をはめていきました。ウェブサイトの骨格の提案内容は見えてきたので、その次に、FMわぃわぃを知ってもらうツールとしてチラシを作りましょうという流れになりました。

(大井さん)実際に3回か4回か訪問してヒアリングをさせていただきました。目的は代表の金さんが話された団体の目的や理念が、関係者の中でも共有されているのか、どのように捉えられているのか私たちチームも確認をして腹落ちさせたいということでした。そうすると、活動拠点である鷹取の教会で活動されている方は熱い思いで活動されていて、特に災害時の情報発信支援で得られたノウハウを海外に広めることに想いをお持ちであることが分かりました。

神戸の中央区に住んでいますが、国際的に活動している団体があることを知ったこと自体がすごく面白かったし、団体の方ともお話をすることで、普段は狭くなりがちな自分の視野がぱっと広くなったと。これはよかったなと思っています。

 

小笹さん

(小笹さん)鷹取コミュニティセンターは行く機会がなかなか無いと思うが、結構特殊な現代建築で、イベントが偶発的に起こっているような場所でした。初めて行かせていいただいたとき、まず門を入った瞬間にラオス人の方がいて、ガラッと扉をあけると子どもたちが英会話塾みたいなことをしていて、その横のオープンキッチンの隣で中国人の方たちがしゃべっている。その上にラジオのスタジオがあって、そこで金さんがラジオをしているといういわばカオスな空間。その奥に行くと、きれいな教会があってミサが行われているなど、自分の今の生活では感じられないことがたくさん起こっていました。

金さんやFMわぃわぃが実現しようとされている、多文化が常に共生している状態が鷹取コミュニティセンターの中で具現化していてすごく衝撃でした。でもそれがウェブサイトでは全然伝わっていなくて、もったいないと強く感じたのを憶えています。

 

自分のこれまでの経験が生かされたことは、デザインの仕事をしていると、デザインは表面上の見てくれをきれいにするものと思われがちだが、情報を整理しデザインを通じて何をどうしたいのか、どうやるのかを明確にする機能もあります。リーフレットでは、番号をつけたりカテゴリーに分けたりといった整理を行ったが、そのところではお力になれたのかと思います。

プロジェクト紹介

1WEEKトライアル
コミュニティラジオらしい最適な配信ツール選定、ファン獲得のアプローチの課題整理にトライ!

ステップアップチャレンジ
多文化、多言語の情報ライブラリーへ。FMわぃわぃの未来予想図を支えるリサーチにチャレンジ