チームビルディングの秘訣(2019秋冬プロジェクト・そらしどチームから)

「想像以上のものを作っていただいて、ありがとうございました。これからこの資料を使って営業できるように頑張ります!」
最終提案をブリッジメンバーから受けたときのNPO法人そらしど代表 藤尾さおりさんの言葉です。

今回は2ヶ月という限られたプロジェクト期間のなか、支援先、ブリッジメンバー双方にとってどのように満足度の高いプロジェクトとなったのか、その理由を探ってみました。ソーシャルブリッジで取り組むプロボノ*の「成功」を定義づけるのはとても難しいですが、そらしどチームには、そのヒントがたくさんありました!

*プロボノ
仕事で培われたスキルや経験を生かしたボランティア活動のこと。

 

プロジェクトの紹介

NPO法人そらしどは、障がいのある子どもの保護者、支援者をサポートする団体です。その活動の一環として、発達障がいの理解を深める出張講演「キャラバン隊」があります。このキャラバン隊の営業資料を作ることが今回のミッションでした。

プロジェクトの様子はこちらから

ブリッジメンバーは、メディア、小売店、製造業、子どもに関わる仕事や活動をしている人、営業企画など、多彩なメンバーが集まりました。職業、働き方、考え方、どれも違うメンバーがどのような点を大切にしながらプロジェクトに取り組んだのでしょうか。

 

ポイント1:コミュニケーションのスピード

振り返ってみると、とにかくコミュニケーションがスムーズだったとメンバーの皆さんは口を揃えます。プロジェクト全体の進行において、このスムーズなレスポンスはとても重要。6名の職業はばらばらなので、ワークスタイルも多種多様です。職業が異なるメンバーが集まっていることは素晴らしいことである一方で、ミーティングで集まるのがとても難しいという弱点もあります。オンラインでのコミュニケーションが円滑に進むかどうかは、成果物制作においてもチームの意思決定においても大切です。

「皆さん、日頃からメールやメッセージの返信など、コミュニケーションのスピードは速い方ですか?」と聞いてみたところ、うーんと言いながらも、皆さん速い様子。最初から誰が言うでもなく、スピード感のあるオンラインコミュニケーションが成立していたとのことでした。

そんなスピードを維持できたのは、早い段階で全員がそらしどの活動に触れていて、モチベーションが高かったことも影響しているそうです。その陰にはチームの努力があります。プロジェクトのスタートで最も大切である団体のヒアリングの際、なかなか予定が合わず、全員が揃うことは叶いませんでした。しかし、迅速に予定を調整しあって、全員が何らかの形でそらしどにリアルで触れる機会を持ちました。そして、初期のオンラインのミーティングを可能なかぎり早くに行い、皆の意識合わせをしたそうです。

 

ポイント2:リーダーシップと合意形成

次のポイントはチームビルディングとコミュニケーションについてです。スピードだけで満足度の高い成果物を達成できるわけではありません。そらしどチームのリーダーは、皆で何かを決めるときなど、大切なメールをメンバーに送るときは、何度も読み返し、慎重に送ったとのこと。

メンバーにとっても、リーダーからのメールは熟読した上で返信していたそうですが、リーダーからのメールは情報整理を主としていて、なにかを決めつけることがなく、意思決定を全体で行うための「余白」が必ず残されていたそうです。また、終始コミュニケーションのストレスがなくて楽しかったと語るメンバーも。

また、意思決定と合意形成で重要なのは、リーダーだけではなく、リーダーを支える役割のメンバーの言動も重要だと感じたという意見も。リーダーが何かを提案した場合に、迅速にレスポンスをする方がいることで、他のメンバーが発言しやすい空気がオンラインで醸成され、リーダーシップへの反発やチーム内の対立構造が生まれなかったそうです。

 

ポイント3:ひとつの目標に集中する

最後は、短期のプロボノプロジェクトでは非常に重要なポイントです。団体への活動に理解が深まれば深まるほど、客観的な視点やプロフェッショナルの観点からいろいろなことが気になってくるもの。提案したいことや話し合いたいことがどんどん出てきます。

しかし、限られたプロボノの時間のなかで、質の高いアウトプットを目指すなら、できるだけひとつのイシューに集中するべきというのが、チーム全員の見解。実際、最終提案ミーティング日に、そらしどからは、制作してもらった営業資料をどのように使っていくとよいのかアドバイスが欲しいという意見が挙がりました。チームには、営業企画や経営企画、管理職がいるわけですから、そういった意見に対してたくさん言いたいことがあったはずです。でも、それは次のステップで考えましょうとあえて線を引くようにそらしどへ慎重に答えている場面がありました。

進行中、大切なのは、「意義に立ち返ること」だったとメンバーは言います。初期の打ち合わせで、そらしどがこれからどのようにありたいのか、団体としての方向性を話し合ったことが全体を通して重要だったようです。ボランティア当事者としてのNPOか、社会企業系のNPOか、その中間なのか、目指したいあり方を団体とチームメンバーで共有したことで、さまざまな決断において、そこに立ち返って考えるように心がけていたと言います。

 

相性だけじゃない!プロボノならではのプロジェクトマネジメント

このように、そらしどのプロジェクトのスムーズさと満足度の高さには、チームと団体の相性、チームメンバーの相性が良かっただけではなく、意識的な努力がその陰にあったことが分かりました。

団体とのゴールの確認、信頼関係の構築、コミュニケーションの最適化、選択と集中など、2ヶ月間のプロボノプロジェクトならではの工夫を、これからのプロジェクトでも参考にしながら、よりよい団体支援が実現できる運営に取り組んでいきます。