1WEEKトライアル・レポート
-神戸市発のプロボノプロジェクトで見えた可能性-

神戸市が抱える社会課題

神戸市では、人口構造の変化も含めた人口減少社会の到来、外国人居住者や観光客の増加に係る多文化共生社会の変化、産業構造の変化、巨大地震などの災害リスクの高まりなど多様な変化に対応すべく、様々な施策を打っています。

その中で、今回の1WEEKトライアルに参加頂いた団体は、地域コミュニティの活性化・担い手作り、外国人との共生、若者・外国人などの居場所作り、女性の働く環境作りなど、生活により身近な社会課題解決に取り組んでいます。例えば、神戸市においては、外国人居住者はここ数年およそ1,500人ずつ増加し、平成30年1月時点で46,848人と市民の約3%を占めます。インバウンドにより外国人観光客も増加し、外国人への対応や社会構造の変化による地域コミュニティの変化への対応は喫緊の課題です。また、女性の働く環境作りでも、女性の就業率は年々増加していますが、全国的に神戸市の就業率は低く、出産後の正社員としての就業率も低いといった状況があります。今回さまざまな団体と関わることで、彼らが取り組んでいる課題が身近で市民やコミュニティの視点からも重要な課題だと再認識しました。

団体の抱える課題

しかし、様々な社会課題の解決に取り組む一方で、地域団体やNPO団体は人材不足で悩んでいることが分かりました。広報や会計など専門的な知識を必要とする業務を少ない人数で行っており、運営面において深刻な悩みに直面しています。

神戸ソーシャルブリッジは、そういった団体が持つ「課題を解決したい」という思いと、プロボノの「自分が培ってきた能力を活かして社会貢献をしたい」という思いを結びつけ、互いに良い影響を与えてくれています。現代社会にとって、ソーシャルブリッジが果たす役割は大きいと思いました。

団体の声

1WEEKトライアルに参加した団体からは、次のような声がありました。

  • 多様な業種・年代の方と交流し、自分たちでは思いつかないアイデアや視点で意見を聞くことができたため、新たな発見がいくつも生まれました。
  • 参加者の皆さんは、団体の抱える悩みに、自分たちのことのように真剣に向き合い、解決方法を考えてくれました。
  • 団体の持つ強みを、外の目線から再確認することができました。
  • 地域のこと、団体のこと、社会課題について、知ってもらういい機会になりました。
  • 今後も継続的に団体の活動に協力してくれることとなる、貴重な人材を見つけることができました。

神戸ソーシャルブリッジに参加することで、団体側は、プロボノから第三者目線での意見・アイデアをもらい、運営の改善に繋げることができます。専門的な知識や、多様な経験を持つプロボノたちにより、長年の悩みを解消するヒントが得られるかもしれません。

また、団体や社会課題について多くの方に知ってもらうことによって、継続的に団体をサポートしてくれる人材を見つけることができるチャンスにもなります。

参加者の声

一方で、1WEEKトライアル終了後、参加者から様々な声を聞くことができました。

システムエンジニアや公務員、IT関係企業など幅広い業種の方々がチームとなりプロボノ活動を行いましたが、やはり普段関わることのない方と接することにより得られるものは多かったようです。「社内や業界にいないタイプの人と協働することができ、よい刺激になりました。また、みんなで何かを作り上げる楽しさを経験することもできました。」という声や「メンバーそれぞれ得意分野が異なったので、お互い知見を補いあうことができた。」という声などがあり、1WEEKトライアルを通してプロボノ活動の楽しさを感じていただけました。

また、「自分の持つスキルを仕事以外で活かすことができ、自信がつきました。」という声や「社名や肩書きを一切無くして、どこまで団体に貢献できるか試したいと思って参加しましたが、同じ思いを持つメンバーに出会い、まだまだ自分の可能性を引き出せると感じました。」という声、「今後、本業に活かされる副産物がたくさんあると感じた。」という声など、自分自身の成長に繋がるという一面も皆様に感じ取っていただけたようです。

そして、1週間のプロボノ活動終了後、それぞれのチームが行った活動について成果発表をする場を設けていたため、参加者全員が今回参加しているNPOや地域団体の課題を共有できました。なかには「神戸市が抱えている地域課題についてより意識するようになった」とおっしゃっていた参加者もいらっしゃいました。

1週間という短い期間での活動ではありましたが、参加者の皆様にとってとても有意義な時間になったようです。「今後も団体さんや他のプロボノメンバーとのつながりを大切にしたいです。」という声や「定年後のために社会貢献活動を今から行っていこうと考えていたので、今回のプロボノは、良いきっかけになった。」という声など、前向きな声を数多く聞くことができ、次に繋がる1週間になったのではないかと思います。

可能性が広がる「神戸ソーシャルブリッジ」

身近にある課題を解決するために活動するNPOや地域団体、そしてその活動を手助けするプロボノ。プロボノとしてプロジェクトに参加し、今までの培ってきたスキルを活かして団体の活動を支援することが、結果として身近な社会課題の解決になる。そうやって生まれた相乗効果が、結果として市の課題解決へとつながっていくのではないかと、神戸におけるソーシャルブリッジのこれからの可能性を感じた1週間でした。

 

 

レポート作成:
神戸ソーシャルブリッジ事業プロジェクトチーム一同

神戸ソーシャルブリッジ事業に関するプロジェクトチームは、地域社会課題に取り組む団体と社会貢献活動に取り組みたい人材をつなぐ「神戸ソーシャルブリッジ」事業を実施するにあたり、事業の企画運営や今後の実施体制の検討を行うために、神戸市役所の庁内公募で集まったメンバーで構成されています。

今回初の体験型支援プロジェクトである1WEEKトライアルでは、メンバーひとりひとりがひとつの団体を担当し、それぞれプロボノメンバーの活動をサポートし、情報発信しました。当記事では活動をサポートする中で見えてきた、市が抱えている課題・ソーシャルブリッジの可能性についてレポートしました。