3つの視点によるプロボノストーリー・企業編

2011年から国内の銀行としては初めて、企業のCSRとして社員にプロボノへの参加を促すプログラムを立ち上げ運営をされている、三井住友フィナンシャルグループ 企画部CSR室 室長の末廣さんに、立ち上げの背景や現状についてお話を伺いました。

 

CSR活動の現状についてお聞かせください。

(末廣さん)様々な社会的な課題について我々金融グループはどんなことができるのか?を、経営陣と共に、常に解決策を見出そうとしています。この神戸は我々の銀行の発祥の地の一つでもあり、高齢者の見守りを一緒にやらせて頂いたり、須磨の海岸では毎年400人ぐらいの社員と共にクリーンアップ活動をしたりしています。

また当社は、金融経済教育に力を入れていまして、全国各地で毎年10万人を超える子どもたちに対して、グループをあげて金融経済教育をしています。

これらの社会に対する活動の一環としてプロボノ活動にも取り組んでいます。

 

三井住友銀行において、会社のCSRの中でプロボノへ取り組もうと思われたきっかけ、初期の時点における思いや狙い、についてお聞かせください。

(末廣さん)NPOの皆さんに対して、銀行という立場で何ができるでしょうか?と、直接聞いたことがあるのですが、やはり言われるのはお金なんですね。お金だけと言われることも多いです。

そこで、社員の給与口座からの天引きで寄付を募るボランティア基金が社内でありますので、そのお金で何年も前から毎年30団体ぐらいに寄付をしています。この基金には、社員の約4割強が加入しています。

我々はグループ全体で約10万人の社員がいますから、お金だけではなくてこの規模の社員の力を活かせないか?と考えました。つまり、寄付だけではなく社員がNPOの方々のご支援を何かできないか?ということで始まったのが、当社のプロボノ活動になります。

 

金融系の方がプロボノでNPOをお手伝いするということですが、具体的にはどんな支援をすることになるのでしょうか?

(末廣さん)日常的に仕事で使っているパソコンの操作などを駆使し、最初は案内状や感謝状の作成、寄付口座の管理シートの作成などに取り組みました。普段本来の活動への対応に手一杯で忙しいNPOの方々のお手伝いが、日頃の経験を活かしてできるということがわかりまして、徐々に活動を拡げていきました。

 

参加をされた社員の方々からは、参加中や参加後に、どういうリアクションが届いているのでしょうか?

(末廣さん)3点あります。1つ目は、自分が培ってきたスキルや知識が、社会のために活かせる実感をもてた、ということ。その実感をもって3ヶ月間の活動が終わった後も、継続的にご支援先のお手伝いを続けている社員が沢山います。

2つ目は、社員同士のネットワークがつながったことです。グループ会社が10社ぐらいありまして、グループ内で仕事の接点がない社員同士や、年代が違う者同士が、プロボノを通じて様々な形でつながるということがありました。

3つ目ですが、3ヶ月の活動が終わってから、NPOの方々にすごく感謝をいただくんですね。
感謝の言葉をいただくことで、本当にみんなとても感動して心が癒されると同時に、達成感を味わい、勇気づけられるんです。彼らの表情を見ていると、「プロボノを会社としてやってよかった!、来年も」という想いが毎年毎年湧いてきます。

この3点が、私どもがプロボノ活動を長年続けていて良かったなと思っているところです。

 

最初の2年間は、三井住友銀行さんとして、取り組まれました。途中から銀行さんだけではなくて、フィナンシャルグループとしての取り組みとなり、日興証券さん、三井住友カードさんなど、同じ金融でもだいぶ違う会社さん達と共にプロジェクトを進めることで、だいぶ多様性が増しましたよね。その点についてはやはり、多様性が高まると共に、プロジェクトとしては面白くなっていく感じがあるのでしょうか?

(末廣さん)当社グループ全体で約10万人の社員がいますので、同じ会社の中でも部署が違うと考え方や物事の進め方・捉え方が全然違う人もいます。最初に会った時に「え?」と思うようなカルチャーの違いみたいなものも結構ありながら、それが一緒になって議論をする中で、チームとして組成していくんですね。
これがいろんな面で多様性を産むし、結果、成果物もより良いものができているのではないかと思います。

 

これから三井住友フィナンシャルグループさんとして、こんなCSR、こんなプロボノ活動に取り組んでいきたいなど、何かお考えのことがあれば教えてください。

(末廣さん)関西で始まりました我々のプロボノ活動ですが、関西ではここ2年ぐらい活動ができていません。関西でもやりたいと、熱い想いを持っている社員が沢山いますので、また機会があれば是非取り組みたいなと思っていることが一つ。

もう一つは、もっと社員全体に輪を広げたいと思っています。我々は約10万人の社員がいると先ほど言いましたが、ボランティア活動に参加しているのは1割の9,000人ぐらいです。リピーターが多いので、未経験のメンバーにもっと参加して頂いて輪を広げていきたい。

CSRは社員一人一人が取り組むものなので、いろんな各地で、いろんなCSRということで、社会のために役立つことが出来る社員が一人でも二人でも増えていけばいいなと思っています。

 

※本レポートは、2018年3月25日開催、神戸ソーシャルブリッジセミナーでの登壇内容をもとに作成しています。

 

プロフィール

末廣 孝信 さん
三井住友フィナンシャルグループ 企画部CSR室 室長
大学卒業後、住友銀行(現:三井住友銀行)入社。営業、人事部研修所を経て、企画部CSR室、2017年4月より現職。CSRには約7年携わり、SMBC(現:SMFG)プロボノ活動企画には立ち上げ時より参画。