NPOも企業人も行政職員も、みんなで社会貢献。神戸ソーシャルブリッジが目指す未来。

NPOも企業人も行政職員も、みんなで社会貢献。神戸ソーシャルブリッジが目指す未来。神戸ソーシャルブリッジは”ブリッジ”の名前の通り、「NPOや地域団体」と「社会貢献活動を希望する人材」をつなぎ、地域社会の課題解決に協働して取り組むプロジェクトです。面白そうな取り組みなのは、なんとなくわかる。だけど今なぜ、このプロジェクトが必要なのか。その先にはどんな未来が待っているのか。プロジェクトに関わった若手メンバー3名に聞いてみました。

地域社会の課題に向き合ってきたNPOが直面する壁

2017年7月、神戸ソーシャルブリッジに先立って”地域協働ネットワークの構築に向けた人材マッチング事業に関するプロジェクトチーム”が神戸市で立ち上がります。
このプロジェクトチームは地域活動に取り組みたい企業の社員や行政職員と、地域課題に取り組むNPOとをマッチングさせる事業の実施について検討するために企業社員、学識経験者、行政職員などで組織されました。

メンバーの一人の大西さんは、プロジェクトチームの事務局も担当する神戸市市民参画推進局 参画推進部 市民協働推進課の職員。
まずはプロジェクトチーム立ち上げの経緯から聞きました。

大西:
市民協働推進課の中でも、私がいるセクションではNPOの支援を担当しています。
神戸市内にはおよそ800のNPO法人がありますが、決して大きな法人ばかりではなく、課題を抱えているところも多い。
NPO法人に力をつけていってもらうために何かできることはないだろうか。
そんな流れの中でプロジェクトチームが立ち上がりました。

多くのNPO法人はさまざまな思いを持ってスタートしますが、やがて壁にぶつかることも少なくありません。
「事業や活動をより多くの人に知って欲しい」「受益者を増やして1人でも困っている人を減らしたい」「関わる人を増やしながら、マネジメントをきちんと機能させたい」など、今の活動をさらに広げたり、活動の質を高めたりしたいというニーズはけっこうあるそうです。
しかし、助けてもらうにもどこと繋がったらいいのかわからない、というのが現状。
一方でプロジェクトに参加している企業の声を聞くとこんな意見が出てきたそうです。

大西:
プロジェクトチームでは、企業の方や労働組合の方にも来ていただいて、社会貢献活動に対する考えなども話してもらいました。
企業の中にも「社会貢献に参加したい」という思いをもった人はいるということで、うまくマッチングできないかという話も出ました。

そこで着目したのが、社会人が仕事で培ったスキルを活かしてボランティア活動を行う「プロボノ」でした。

プロボノが新しい地域協働ネットワークの形に

山本さんは、生活協同組合コープこうべの職員。
社内の外部派遣型インターシッププログラムを活用し、サービスグラント(東京事務局)にて約1年間勤務した経験があります。
コープこうべに帰任後はプロボノワーカーとして関わるようになり、仕事をしながら2つのプロボノプロジェクトにも参加しています。

山本:
1年間のインターンを終えた頃から神戸でプロボノが発展したらいいな、そこに寄与できたらいいなと思っていました。
それから1年半くらい経ってプロジェクトチームが立ちあがるということで、声をかけてもらいました。

それほどプロボノは魅力的だったということなのでしょうか。

山本:
僕のいるコープこうべは、暮らしの課題を解決する事業を展開しています。
普通の会社であればそこの社員が施策やサービスを生み出して解決するのでしょうが、うちの場合は一般の組合員が主体となって課題を解決していく組織なので、市民による地域づくり、まちづくりというのはもともとキーワードとしてありました。
でもこの時代ですから、人々の暮らしの課題は無数に存在します。
それを解決していくためにも、既存の取り組みの輪も広げつつ、新しい市民の協働のあり方をどんどん考えていかなきゃいけないとずっと思っていました。
ふたを開けて見るとプロボノってまさに「ザ・市民の協働」。
しかも新しいし面白いっていうことで一気にとりつかれました。

働きながら社会貢献に参加できるのは、プロボノの良いところ。
企業人や行政職員が、いまある暮らしや仕事と両立しながら地域社会の課題解決に向けてチャレンジできる。
そんな新しい地域協働の形を、プロボノは実現しようとしています。

東灘区役所に勤務する松元さんは、庁内公募を経てプロジェクトチームに参加。
社会活動にはもともと興味があったそうで、学生時代は沖縄で中高生向けに議員インターンシップを実施するための活動に携わっていました。
いま行政で働いている理由は「神戸愛」。
神戸が好きだから神戸のために何かしたいという気持ちがあったそうです。

社会貢献したいと思う人がたくさんいる街、神戸に

松元:
社会貢献に対して熱意を持っている人を、幅広く受け入れられるような制度として、神戸ソーシャルブリッジを発展させていけたらいいなと思っています。
やっぱり100人で一つのNPOの仕事を分け合うのと、もっともっと社会人が参加するようになって1,000人で分け合うのとでは重さが全然違うと思う。
そういう世の中になれば、構えることなく、もっと自然な形で社会貢献できるのではないかと思います。

大西:
行政職員といえども直接NPOと関わることのない職員ってけっこう多いと思います。
関わってみて感じるのは、社会をよくしたいという熱い思いです。
神戸ソーシャルブリッジが、そういう風にNPOの活動や地域社会の課題を知る機会になって、それを支えたり、関わったりする人が100人になり1,000人になり、10,000人になっていくとすれば、社会はより良くなっていくのではないかと期待しています。

社会貢献に興味はあるけど、どうやって関っていけばいいのかわからない。そんな人も多いと思います。
神戸ソーシャルブリッジを通じて、社会貢献活動をもっと身近に感じてもらい、NPOや企業人、行政職員といった立場の違いを超えて、みんなで地域社会の課題に向き合える街にしたい。
このプロジェクトには、そんな思いが込められています。

プロフィール

大西 雄紀
神戸市職員。プロジェクトチームの事務局も担当する神戸市市民参画推進局 市民協働推進課。担当セクションはNPO支援。先日第1子が産まれ父親に。子どもの将来のためにも良い社会にしていきたい。

松元 雄大
神戸市職員。東灘区役所まちづくり課。神戸愛を自負しており、神戸に関わりたいと市職員の道へ。取材時着用のネクタイの柄も、ポートタワーなど神戸の風景があしらわれたものという徹底ぶり。

山本 周作
生活協同組合コープこうべ職員。社内の外部派遣型インターシッププログラムを活用し、サービスグラント(東京事務局)にて約1年間勤務した経験あり。コープこうべに帰任後はプロボノワーカーとして関わるようになり、仕事をしながら2つのプロボノプロジェクトにも参加。